動画の撮影がさらにうまくなる方法、前回の動画撮影入門・初級編からランクアップして、中級編を解説します。中級編では、動画の編集を意識したたった1つの撮影のルールを説明します。
この記事を書いた人:内村 航
株式会社ドウガテック代表取締役。2012年より『カンタン動画入門』を運営。動画編集ソフト・アプリのレビュー本数58本。動画編集スクール取材9校。アクションカメラ17台、α7 III、EOS8000D所有。大学講師(日本文理大学情報メディア学科、立命館アジア太平洋大学動画制作ワークショップ等)。著書:暮らしvlogのはじめ方(朝日新聞出版)、iMovieのマニュアル本(工学社 I・O BOOKS)。
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撮影がうまくなる解説記事一覧
(1)初級編 動画の撮影がうまくなる方法 2つのルール・コツ(2)初級編 2つのルールを基に撮影してみた
(3)中級編 動画の撮影が、さらにうまくなる方法 1つのルール
(4)中級編 1つのルールを基に撮影してみた
(5)上級編 位置・角度・高さを意識しよう
(6)上級編 編集を意識した撮影
(7)上級編 実践編
『ひき』と『より』カットを撮影しよう
さらにレベルアップするたった1つの中級ルールは、『ひき』と『より』のカットを撮影する、ということです。
『ひき』とは、言葉の通り全体が見えるようにひいて撮影したカットのことです。主に『場所・季節・天気・全体の状況』などを説明するために使います。
『より』とは、近くによって撮影したカットのことです。『表情・感情・細かい描写』などを伝えることができます。
『ひき』と『より』のバランスが大事
動画には『ひき』と『より』が必要です。しかし、もし『ひき』だけの動画だとどうなってしまうのでしょう。
よくない例
(1)全体の『ひき』。
(2)全体の『ひき』。
(3)全体の『ひき』。
こんな遠くから撮った『ひき』ばかりのカットだと、つまらないですよね。1カットで伝わることを3カットほとんど同じ『ひき』を並べてしまっています。
よい例
『ひき』と『より』を意識してバランスよく撮影すると以下のように分かりやすい動画を作ることができます。
(1)全体の『ひき』で、冬の牧場の動物とのふれあいイベントを説明。
(2)少し『よって』、たくさんの羊と触れ合う観光客。
(3)羊の顔に大きく『よって』、羊の表情を伝える。
『ひき』と『より』のサンプル
ひき→よりの例
まず、ひきで「一匹の猿」「芝生」「奥に森」といった環境を撮ります。
次に、グッとよることで、「猿の表情」を見せます。
これがよりだけだと、猿がどこにいるのか、どんな場所にいるのかわかりません。しかし、ひきがあるので、どういう状況か伝えることができます。
逆にひきだけだと、見ている人は「えー、もっと猿の顔みたい!」と感じることでしょう。
より→ひきの例
まず、よって、ライオンと網越しの人達を見せます。見ている人は「どういう状況!?」と思います。
次にひきのカットで、「ああ、サファリのバスだったんだ!」と理解できます。
この場合、ひきのカットのみだと、「ふーん」で終わります。しかし、よりのカットから始めることで、「そういうことか!」と意外性や、観客やライオンの表情などがより伝わります。逆によりのみだと、どんな状況かさっぱり分かりません。
2つのよりとひきを組み合わせることで、伝えたい意図を明確にできるわけです。
以上、撮影がうまくなる方法、中級編でした。次の記事では、中級編のルールを基に動画を作り、解説します。
では、お疲れ様でした。また次の記事でお会いしましょう!
撮影がうまくなる解説記事一覧
(1)初級編 動画の撮影がうまくなる方法 2つのルール・コツ(2)初級編 2つのルールを基に撮影してみた
(3)中級編 動画の撮影が、さらにうまくなる方法 1つのルール
(4)中級編 1つのルールを基に撮影してみた
(5)上級編 位置・角度・高さを意識しよう
(6)上級編 編集を意識した撮影
(7)上級編 実践編