動画編集をする時におすすめな動画編集用モニターの選び方とおすすめメーカーを紹介します。
この記事を書いた人:内村 航
株式会社ドウガテック代表取締役。2012年より『カンタン動画入門』を運営。動画編集ソフト・アプリのレビュー本数58本。動画編集スクール取材9校。アクションカメラ17台、α7 III、EOS8000D所有。大学講師(日本文理大学情報メディア学科、立命館アジア太平洋大学動画制作ワークショップ等)。著書:暮らしvlogのはじめ方(朝日新聞出版)、iMovieのマニュアル本(工学社 I・O BOOKS)。
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動画編集用モニターの選び方
動画編集用のハイスペックなモニターは必ずしも必要なものでありません。映画やCM、テレビの仕事をするためであれば別ですが、副業のためのウェブ動画広告やYouTube動画などであれば、すでに持っているものや安価なものでも十分な場合が多いです。
しかし、目的にあった動画編集用モニターを使うことで作業効率を上げたり、目の疲れを軽減することができます。ここでは動画編集用モニターを選ぶための8つの項目を解説します。
動画編集に最適なモニターのインチ数は?
動画編集用のモニターのサイズは、最低でも23インチのものが良いといわれています。もちろんそれ以下でも動画編集はできます。しかし動画編集画面が小さいと目が疲れますし、作業がしにくいです。
そのためある程度モニターのサイズは大きいものを選ぶことをおすすめします。モニターのサイズはデスクトップパソコンであれば置く机の大きさ、持ち運ぶノートパソコンであれば重さなど環境に左右されます。自分の環境にあったサイズを検討してみてください。
私のパソコンモニターは、42.5インチ4Kモニタ1台と、縦置きの21.5インチフルHDモニターの2台を使っています。42.5インチのモニターはかなり巨大です。しかし動画編集ソフトや素材フォルダ、ウェブブラウザ、メールソフトなど様々なものを並べることができるので、作業効率はかなりあがりました。置く場所さえ確保できれば私は40インチクラスのモニターも有りだと思います。
動画編集に最適なモニターの解像度は?
解像度は4Kモニターをぜひ選んでください。フルHDでもダメではありませんが、動画編集用モニターとしてつかうのであれば、4Kサイズのほうが長期的にみて安心です。現在の動画はフルHDがまだまだ主流ですが、いつ4Kが基準になるかわかりません。また、4Kでの納品をしなければいけない場合、フルHDモニターだと厳しいです。
動画編集用モニターにおすすめなパネルの種類は?
モニターの液晶パネルには主に『TN』『VA』『IPS』『有機EL』の4種類があります。結論からいうと動画編集用モニターでおすすめなのは『IPS』です。
IPSモニターは動画編集に特に向いています。画質が高く、見る角度で色が変わりにくく、種類も豊富です。応答速度は遅めですが、これは映像編集にはあまり関係ありません。値段は少し高めですが、有機ELと比べると安いです。基本的にはIPSモニターを選びましょう。
パネルの種類と用途 | メリット | デメリット |
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TN ・ゲーム向け |
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VA ・映像視聴向け |
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IPS ・動画編集向け |
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有機EL |
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カラーマネジメントモニターかどうか
動画はモニター上で色の管理をします。しかしモニターによっては表示される色が若干違うことがあります。ただしい色が分からない状態だと納品先から「イメージしている色と違う」と指摘されかねません。それを防ぐためには、モニターを正しい色に調整できるカラーマネジメントモニターを使うのがおすすめです。
カラーマネジメントモニターは種類が少なく高いことが多いです。出しているメーカーは、EIZO、BenQが有名です。
動画編集用モニターはノングレア(非光沢)かグレア(光沢)か?
動画編集用モニターは非光沢のノングレアがおすすめです。
グレア(光沢有)だと反射で映り込みしてしまいます。また目が疲れるといわれています。Mac系のモニターはおしゃれなグレアモニターなので、絶対ノングレアでないとダメ、というわけではありません。しかしWindowsパソコンであればノングレアをおすすめします。
動画編集用モニターに目が疲れにくい機能はあるか
動画編集は長時間モニターを見るため目が疲れます。モニターによっては目に優しい機能がついたモニターがあるので、それを選んでみても良いでしょう。
目に優しい機能 | 詳細 |
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ブルーライトカット | モニターから出るブルーライトをカットする機能。ブルーライトカットがどこまで効果があるかは不明。非対応モニターでもWindowsの夜間モードでブルーライトをカットすることが可能。 |
フリッカーフリー機能 | 画面のチラつきを抑える機能。フリッカーフリーなしのモニターで照度を下げるとチラつきが発生し目が疲れるといわれている。 |
価格で選ぶ
パソコン用モニターは安いもので1万円から、高いもので10万円以上のものもあります。予算が豊富にあれば自分に環境にあったものを選べば良いのですが、なかなかそうもいかないと思います。まずは可能な範囲で買えるモニターを選び、余裕が出てきたらよいモニターを検討すればよいでしょう。
2台のモニターを使うデュアルモニター化
大きなモニターは使いやすいですが高く、置く場所に困る場合があります。しかし小さいモニター1台だけだと画面が小さく動画編集がしにくいこともあります。
そこで複数台のモニターをパソコンに接続してつかうデュアルモニターがおすすめです。私は大きなモニター1台と小さなモニター1台を縦置きにして使っています。縦置きモニターは主にメールや素材フォルダ用に使っています。
使っているパソコンのHDMI出力端子にHDMIケーブルでモニターをつなぎ、Windowsの『設定』→『ディスプレイ』で簡単に設定ができます。
ノートパソコンに2台目のモニターを接続することも可能です。以下の画像ではMacBookに21.5インチのモニターを上部に設置しています。これもHDMIで接続可能です。使っているノートパソコンにHDMI出力端子があるか確認してみましょう。
動画編集におすすめのメーカーとモニター
動画編集用モニターで特におすすめできるメーカーは、EIZOとBenQです。LG、Dellは安価で大きなサイズのモニターをたくさん扱っているので予算がない場合はこちらのメーカーもおすすめです。
EIZO
EIZOは日本の会社で、モニターの色を正確に調整できるキャブレーション機能がついているモニターを多く販売しています。高機能なものは値段が高いのです。
EIZOモニター一覧(Amazon)BenQ
BenQは台湾の映像機器メーカーです。安価で質の高いモニターがそろっています。キャブレーション機能付きのモニターもあります。
BenQモニター一覧(Amazon)LG
LGは韓国の電器メーカーで、質が高く安価なモニターを販売しています。特に動画編集に特化しているわけではありませんが、大きいサイズのモニターを安く購入することができます。
LGモニター一覧(Amazon)Dell
Dellはアメリカのパソコンメーカー最大手で、豊富なサイズで安価なモニターを対象に販売しています。デザインもシンプルで、気軽に購入しやすいモニターがたくさんあります。
Dellモニター一覧(Amazon)動画編集用モニターまとめ
動画編集用モニターを選ぶ基準は色々あることが分かったと思います。そして動画編集に特化したハイスペックなモニターは高いです。
初めは無理して高機能なものを買わず、まず自分の環境や予算にあったものを検討してみてください。