Amazonで買える安価な照明機材を使って、モノを簡単にキレイに写真や動画で撮影するライティングのテクニックを初心者向けに解説します。
この記事を書いた人:内村 航
株式会社ドウガテック代表取締役。2012年より『カンタン動画入門』を運営。動画編集ソフト・アプリのレビュー本数58本。動画編集スクール取材9校。アクションカメラ17台、α7 III、EOS8000D所有。大学講師(日本文理大学情報メディア学科、立命館アジア太平洋大学動画制作ワークショップ等)。著書:暮らしvlogのはじめ方(朝日新聞出版)、iMovieのマニュアル本(工学社 I・O BOOKS)。
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この記事の目次
簡易照明を使った照明・ライティング入門について
この記事は、『プロの照明技術をマスター』したい方向けではなく、『安価で簡単にキレイな写真や動画を撮りたい』初心者向けです。機材はすべてAmazonで購入でき、値段もカメラ以外は1万円以下のものです。今回のカメラはキヤノンの一眼レフカメラを使っていますが、スマートフォンでもある程度キレイに撮ることも可能です。ぜひ参考にしてください。
物撮りに必要な照明機材について
今回の物撮り講座に使った照明機材は以下の通りです。・LEDライト付撮影ボックス
・ビデオ用バッテリーライト
・バッテリーライト用互換バッテリー
・三脚
・LEDライト付撮影ボックス
・ビデオ用バッテリーライト(2灯あるとなお良い)
・バッテリーライト用互換バッテリー(2灯用)
・バッテリーライト用互換バッテリー(1灯用)
・三脚
カメラ固定用で1本必須。ビデオライト固定用でもう1本あると使いやすいが、なくてもOK。
LEDライト付撮影ボックスの使い方
LEDライト付撮影ボックスは折りたたみ式です。開いてマジックテープを留め、組み立てましょう。巨大猫メインクーンがすっぽり入る大きさです。
LEDライト付撮影ボックスから電源コードが出ているので、付属のUSBアダプタをコンセントにつなぎスイッチを入れてみましょう。
天井にあるLEDライトが淡い光を放ちます。あまり強い光ではありませんが、これだけでもけっこう明るくなります。必要ないと思う方は、LEDライトがないバージョンもあるのでそちらを購入してください。
LEDビデオライトの使い方
LEDビデオライトのバッテリーを十分充電しておきましょう。バッテリーは、バッテリーライトの背面に取り付けることができます。※購入時は、背面にフタが付いているのではずさないと、バッテリーを取り付けることができないのでご注意ください。
バッテリーの2つの穴に、バッテリーライトの2本の棒を差し込みましょう。はずれやすいので注意してください。
バッテリーを付けたら、バッテリーライト側面のダイヤルを『ON』にしましょう。たくさん回すと光が強くなります。
またこのバッテリーライトは、三脚に直接取り付けることができます。
三脚の雲台をはずし、ネジを回してバッテリーライトをつけましょう。
三脚がない場合は、椅子やテーブルの上に置くなど工夫してみましょう。絶対に三脚がある必要はありません。
照明の位置について
バッテリーライト2台と、LEDライト付撮影ボックスを使って、数種類の撮り方をしてみました。以下、その写真です。
(1)照明なし
※ISO100、絞りf/1.8、シャッタースピード1/80秒固定 単焦点50mmレンズ CANNON EOS80D
(2)真上からのLEDライト
(3)正面からのバッテリーライト
(4)左からのバッテリーライト
(5)後ろからのバッテリーライト
(6)左+後ろからのバッテリーライト
(7)真上からのLEDライト+左+後ろからのバッテリーライト
それぞれどのように撮影をしたのか詳しく解説します。
(1)照明なし
LEDライト付撮影ボックスに人形を置いただけで、16時頃の自然光のみ。室内、夕方前の撮影なのでちょっと暗いですね。カメラの設定で、明るさ調整はできますが画質が低下してしまいます。
(2)真上からのLEDライト
LEDライト付撮影ボックスのLED照明のみ。LEDのスイッチを入れるだけで、だいぶキレイ撮ることができました。予算と手間を考えて、ここで完成でももちろんOKです。明るさはカメラの設定でもう少し上げたほうがいいですね。
・照明なしと比較
(3)正面からのバッテリーライト
LEDライト付撮影ボックスの照明は消し、バッテリーライト1灯を正面から当ててみました。よくある正面からフラッシュを当てた、いかにも素人っぽい写真になりました。せっかく照明を使ったのに、これだといまいちです。
・照明なしと比較
(4)左からのバッテリーライト
バッテリーライトを左から当ててみました。バッテリーライトは撮影ボックスの外に設置しています。撮影ボックスの白い壁を透すことで光が拡散し、自然な光になります。全体的に暗めですが、立体感が出て、これはこれで雰囲気が出ています。
・照明なしと比較
(5)後ろからのバッテリーライト
次にバッテリーライトで被写体の後ろから照らしました。バッテリーライトはライトボックスの中に置いています。後ろから光を当てることで、被写体の輪郭に白い線がでてハッキリします。しかし、正面は暗いままなので、少しミステリアスな感じがしますね。
・照明なしと比較
(6)左+後ろからのバッテリーライト
バッテリーライト2台を使って、左と後ろから光を当ててみました。後ろのみだと暗かった側面が照らされ、明るく、また立体感も出てきました。
・照明なしと比較
(7)真上からのLEDライト+左+後ろからのバッテリーライト
最後に、LEDライトの真上、バッテリーライト左と後ろからすべて付けてみました。輪郭と立体感が出て、全体的に明るくなりました。
・照明なしと比較
照明の位置は、被写体をどう撮りたいかで変わってきます。これはあくまで1例なので、色々照明の位置を替えて、自分が思うベストを探してみてください。
背景・下地について
次の背景や下地の色を変えてみましょう。今回使ったライトボックスの下地と背景は黒です。LEDボックス付属の白や青の背景も使うことができますが、今回は100均で購入した色画用紙を使ってみました。
使い方は好きな色の色画用紙を下に敷くだけです。
これだけで雰囲気が変わります。
照明なしと比べるとずいぶんキレイな写真になりました。
回転台を使っての動画撮影
次にフィギュア観賞用の360度回転台を使って動画を作ってみました。回転台に単三電池3本を入れ、スイッチを入れるだけです。
自動で台が回転します。
回転台を使った動画のメリットは、
(1)被写体の360度全体を1カットで見せることができる
(2)回転することで光の変化を見せることができる
逆に回転台を使わずに、商品プロモーションの動画を作ると、
(1)色々な角度からカットを撮る必要がある
(2)見せるための編集をする必要がある
しかし、回転台を使えば、簡単に商品のプロモーション動画を作ることができるのです!ぜひ試してみてください。