動画用のマイクの種類とその選び方について、動画初心者やYouTuber向けに分かりやすく解説します。この記事に使っている機材の写真はすべて私がレビュー用に購入し、実際録音テストしています。音声サンプルを聴いて、マイク選びに役立ててください。
この記事を書いた人:内村 航
株式会社ドウガテック代表取締役。2012年より『カンタン動画入門』を運営。動画編集ソフト・アプリのレビュー本数58本。動画編集スクール取材9校。アクションカメラ17台、α7 III、EOS8000D所有。大学講師(日本文理大学情報メディア学科、立命館アジア太平洋大学動画制作ワークショップ等)。著書:暮らしvlogのはじめ方(朝日新聞出版)、iMovieのマニュアル本(工学社 I・O BOOKS)。
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マイク関連記事
動画用マイクの質とは?
動画にとって音はもっとも重要な要素です。画質が良くても音がよく聞こえないと人はストレスを感じます。一方、画質がそこそこでも音がクリアに聴こえると、そこまで気になりません。
ただ『音質とは?』と考えると奥が深すぎてきりがありません。まずは自分で聞いてみて、「これなら良い」と思えるマイクを買うようにしましょう。
iPhone内蔵マイクを基準にしてみる
まずマイク音質の基準として、iPhoneの内蔵マイクの音を聴いてみましょう。それから次の項目の各ジャンルごとのマイク音質と比較してください。マイクによって音質の違いがかなりあることに気が付くはずです。
マイク名 | iPhone XS Max内蔵マイク |
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種類 | iPhone |
形状 | 内蔵マイク |
接続方式 | 内蔵マイク |
レビュー | iPhone XS Maxの内蔵マイクです。この音を基準としてマイクを選んでみてください。室内のエアコン、パソコンなどの環境音までしっかり録音されます。また環境に寄りますが声の反響も気になります。 |
音声テスト |
iPhone用マイクおすすめ比較一覧
elecjoy iPhone/iPad Lightningピンマイク
マイク名 | elecjoy iPhone/iPad Lightningピンマイク |
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種類 | エレクトレットコンデンサー |
形状 | ピンマイク |
接続方式 | ライトニング |
レビュー | 内蔵マイクと比べると音質はいいですが、ガサガサした感じです。またサーという雑音が入ります。 |
音声テスト | |
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PC用USBマイクおすすめ比較一覧
エレコム HS-MC05UBK USBスタンドマイク
マイク名 | エレコム HS-MC05UBK USBスタンドマイク |
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種類 | エレクトレットコンデンサー |
形状 | スタンドマイク |
接続方式 | USB |
レビュー | ブゥーンという音がします。とりあえずパソコンで動画を作りたい入門者であればありです。長く使うつもりなのであればおすすめできません。 |
音声テスト | |
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ヘッドセットマイクおすすめ比較一覧
サンワサプライ mm-hsusb16w USBヘッドセット
マイク名 | サンワサプライ mm-hsusb16w USBヘッドセット |
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種類 | エレクトレットコンデンサー |
形状 | ヘッドセット |
接続方式 | USB |
レビュー | 再生環境によってはまったく問題ない音質です。ヘッドフォンなどで聞くと、サーという雑音がします。録音環境にもよりますが、ノイズカットを使うか、動画中にBGMを入れるなどすればほぼわからなくなります。 |
音声テスト | |
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SteelSeries Arctis 5 USBヘッドセット
マイク名 | SteelSeries Arctis 5 USBヘッドセット |
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画像 | |
種類 | エレクトレットコンデンサー |
形状 | ヘッドセット |
接続方式 | USB |
レビュー | USB、3.5mmミニプラグ変換プラグ付のゲーミングヘッドセットです。ゲーム音とマイク音のバランス調整機能や、音量調整機能、ノイズキャンセル機能など、必要な機能がすべてそろっています。色は黒と白。値段も安いのでおすすめです。ただしノイズキャンセルが強すぎて、声質がかなり細く硬くなります。あくまでゲーム動画用として考えた方がよいです。 |
音声テスト | |
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ダイナミックマイクおすすめ比較一覧
Behringer XM1800S XLRダイナミックマイク
マイク名 | Behringer XM1800S XLRダイナミックマイク |
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種類 | ダイナミックマイク |
形状 | ハンドマイク |
接続方式 | XLR |
レビュー | XLR接続の格安ダイナミックマイクです。3本セットなのにケース付き1万円以下。音質は値段の割に驚くほど良いです。ヘッドホンで聞くとサーという音が若干します。編集でのノイズカット、BGMを入れれば問題ないレベル。※パソコンにつなぐにはUSBオーディオインターフェースが必要です。 |
音声テスト | |
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Sennheiser E835 S-004514 XLRダイナミックマイク
マイク名 | Sennheiser E835 S-004514 XLRダイナミックマイク |
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種類 | ダイナミックマイク |
形状 | ハンドマイク |
接続方式 | XLR |
レビュー | 1万円以下で買えるドイツのオーディオメーカーゼンハイザー製のマイクです。音質は良く、手に持っても雑音などが入りにくいです。※パソコンにつなぐにはUSBオーディオインターフェースが必要です。 |
音声テスト | |
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SHURE BETA58A XLRダイナミックマイク
マイク名 | SHURE BETA58A XLRダイナミックマイク |
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種類 | ダイナミックマイク |
形状 | ハンドマイク |
接続方式 | XLR |
レビュー | テレビ局やプロも使うおなじみのマイクメーカーSHURE(シュアー)の高性能ダイナミックマイク。雑音、環境音、大きな音量に強いです。音質を重視するのであれば、このマイクを使うのがおすすめです。※パソコンにつなぐにはUSBオーディオインターフェースが必要です。 |
音声テスト | |
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コンデンサーマイクおすすめ比較一覧
Behringer B-1 XLRコンデンサーマイク
マイク名 | Behringer B-1 XLRコンデンサーマイク |
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画像 | |
種類 | コンデンサーマイク |
形状 | ハンドマイク |
接続方式 | XLR |
レビュー | 高音域を活かしたいのであればBehringer(ベーリンガー)のコンデンサマイクーもおすすめです。しかしコンデンサマイクは感度が高いので環境音まで拾ってしまいます。十分静かなスタジオなどで録音できるのであればおすすめです。朗読サンプルでは、声が室内でかなり反響しています。またパソコン、エアコンの音、リップ音まで細かく拾ってしまっています。※パソコンにつなぐにはUSBオーディオインターフェースが必要です。 |
音声テスト | |
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ピンマイクおすすめ比較一覧
Audio Technica At9904 3.5mmミニプラグピンマイク
マイク名 | Audio Technica At9904 3.5mmミニプラグピンマイク |
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種類 | エレクトレットコンデンサー |
形状 | ピンマイク |
接続方式 | 3.5mmミニプラグ |
レビュー | ジャーという雑音がずっと入ります。音質もぼやけた反響音がします。格安といえおすすめできません。 |
音声テスト | |
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FIFINE K053 USBピンマイク
マイク名 | FIFINE K053 USBピンマイク |
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種類 | エレクトレットコンデンサー |
形状 | ピンマイク |
接続方式 | USB |
レビュー | USB接続できる格安ピンマイクです。ノイズは薄っすらしますが気にならないレベル。音質はノイズキャンセルの影響か硬めで、若干、音の反響があります。 |
音声テスト | |
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RODE SmartLav+ 3.5mmミニプラグピンマイク
マイク名 | RODE SmartLav+ 3.5mmミニプラグピンマイク |
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種類 | エレクトレットコンデンサー |
形状 | ピンマイク |
接続方式 | 3.5mmミニプラグ |
レビュー | YouTuberがよく使っているマイクメーカーのRODE(ロード)製の有線ピンマイクです。パソコンで使う場合はRODEの3極変換プラグが必要です。スマホ、タブレットで使う場合は4極ピンのままで使えます。朗読サンプルでは、サー、というノイズがあります。音質は中程度。 |
音声テスト | |
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SONY UWP-D21 XLR+3.5mmミニプラグ無線マイク
マイク名 | SONY UWP-D21 XLR+3.5mmミニプラグ無線マイク |
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画像 | |
種類 | エレクトレットコンデンサー |
形状 | ピンマイク |
接続方式 | XLR+3.5mmミニプラグ |
レビュー | TVなどでも使われるSONY製の無線マイクです。無線マイクは高価ですが、動画を継続して作っていくの出れば必要な投資です。これひとつあれば長期的にみて音声管理の手間が省けます。朗読サンプルだと、かすかにサーという環境音を拾います。また室内だとわずかに反響があります。 |
音声テスト | |
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ガンマイクおすすめ比較一覧
Neewer noname XLRガンマイク
マイク名 | Neewer noname XLRガンマイク |
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種類 | コンデンサー |
形状 | ガンマイク |
接続方式 | XLR |
レビュー | Neewer製の格安ガンマイクです。単3電池対応のXLR接続のコンデンサーマイク。値段的に絶対音質が悪いと思いましたが、けっこういいです。本格的なガンマイクは高いので、まず初めにこれを検討してもよいと思います。 |
音声テスト | |
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Azden sgm100 XLRガンマイク
マイク名 | Azden sgm100 XLRガンマイク |
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種類 | コンデンサー |
形状 | ガンマイク |
接続方式 | XLR |
レビュー | 現在生産終了のAzden製のガンマイク。音質は良いがブゥーンという音が入る。 |
音声テスト |
Sennheiser MKE 600 XLRガンマイク
マイク名 | Sennheiser MKE 600 XLRガンマイク |
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画像 | |
種類 | コンデンサー |
形状 | ガンマイク |
接続方式 | XLR |
レビュー | 映画でも使われているSennheiser(ゼンハイザー)社製の名作コンデンサーガンマイクです。内蔵電池式で使えます。朗読サンプルでは、室内のエアコンの音をかすかに拾っています。口元だけの音を拾うマイクと違うので、環境音には注意が必要です。※パソコンにつなぐにはUSBオーディオインターフェースが必要です。 |
音声テスト | |
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マイクにはビデオカメラ用、一眼レフカメラ用、パソコン用、スマホ用がある?
マイクは使う録画機材によって種類が違います。
(1)業務用ビデオカメラなどに使うXLR端子マイク
(2)一眼レフカメラ用の3.5ミリプラグマイク
(3)パソコンのウェブ会議などで使うパソコン用USBマイク
(4)スマホ用マイク
基本的にはビデオカメラ用にはビデオカメラ用マイクを、一眼レフカメラ用には一眼レフカメラ用マイクを、パソコン用にはパソコン用マイク、スマホ用にはスマホ用マイクを選びます。
(1)業務用ビデオカメラ用のマイク
業務用ビデオカメラ用のマイクはXLR端子という特殊な形状の端子で、種類によっては電池かファンタム電源(後述)が必要です。要はプロ向けマイクです。
(2)一眼レフカメラ用のマイク
一眼レフカメラ用マイクは3.5ミリプラグで、カメラ本体から弱い電力が共有されるプラグインパワー対応マイクを使います。
(3)パソコン用のマイク
パソコン用マイクはUSB接続だけで使えるものがほとんどです。オンライン会議用の簡易的なものから、生放送や動画用の高品質なマイクまで色々あります。一部3.5ミリプラグマイクもありますが、パソコンにマイク端子がない機種が多いので、最近は少なくなっています。
(4)スマホ用のマイク
iPhoneだとライトニング端子用マイク、アンドロイドだと4極対応マイクを選びます。
ビデオカメラ用XLRマイクはパソコンはつなげる?
後述しますが、業務用の高品質なXLR端子マイクをパソコンに接続することはできます。ただしオーディオインターフェースという機材が必要です。コストがかかるので、マイクを購入する時は間違わないように注意しましょう。
iPhoneにUSBマイクはつなげる?
iPhoneにUSBマイクを接続することは可能です。ただしLightning-USBカメラアダプタが必要です。
【関連】iPhoneに外部マイクをつなぐ方法動画用マイクの種類(1)
ここでは動画用マイクを電源供給方法別に解説します。まず感度の低い『ダイナミックマイク』と、感度の高い『コンデンサマイク』、そして安価で手に入りやすい『エレクトレットコンデンサマイク』の3種類があります。
マイクの感度について
細かい説明は省きますが、感度はマイクの音質ではありません。マイク感度が高いと幅広い周波数を拾うことができる反面、小さなノイズまで拾ってしまいます。一方、感度が低いと、雑音など環境音を拾いにくいですが高音域はやや苦手です。
(1)ダイナミックマイク
電源不要で頑丈な低感度マイクです。ライブで使われることが多いです。感度が低いので雑音に強く、環境音をカットできます。
比較的安価で手に入ります。外出時や、動きの激しい収録などで使うと良いでしょう。
マイクの種類:ボーカルマイク、インタビューマイク
環境:雑音のある場所、近くの物を撮る場合
(2)コンデンサマイク
48Vなどの電源が必要で繊細な高感度マイクです。高音域に強く、スタジオの楽器録音や、ドラマ、映画などで使います。感度が高いので、環境によっては細かいノイズや振動を拾ってしまいます。
比較的、値段が高いです。雑音の少ない場所での録音におすすめです。ただし、48Vファンタム電源対応のオーディオインターフェースか、オーディオミキサー、対応しているビデオカメラを用意しなければいけません。またハウリングしたり、ノイズを拾いやすいので扱いが難しいです。
マイクの種類:ガンマイク、楽器用マイク
環境:スタジオなどの静かな場所
コンデンサマイクの電源の種類
電池内蔵
マイク内の電池を使って動くタイプです。
ファンタム電源
ファンタム電源とは、コンデンサマイクなどに必要な48Vの電源のことです。
業務用ビデオカメラ本体からや、オーディオミキサーなどから給電します。
コンデンサマイクをパソコンにつなぐには、USBのオーディオインターフェースを使います。
このUSBオーディオインターフェイスは表面のマイク用XLR端子にマイクを刺し、GAINで音量を調整をします。
裏面にはパソコンとつなぐためのUSB端子と、電源供給端子、ファンタム電源+48Vスイッチなどがあります。ファンタム電源を入れなければXLRダイナミックマイクも接続して使えます。
電源不要のダイナミックマイクをファンタム電源につなぐと壊れるので注意しましょう。大丈夫だという説もありますがリスクがあると覚えておいてください。
(3)エレクトレットコンデンサマイク
プラグインパワーというカメラ本体やパソコンの電力を使って動く比較的安価なマイクです。パソコンのヘッドセットやハンドマイク、ピンマイク、一眼レフカメラ用マイクなどもあります。
注意点として、このプラグインパワーの電圧は『数ボルト程度』とマイクごとにあいまいです。カメラとマイクによっては相性が悪い場合もあります。プロが業務用として使う種類のものではありません。
接続方式は3.5mmミニプラグかUSB端子。
よく『コンデンサマイク』と書いてあるコンデンサマイクっぽい商品があります。しかし、USBや3.5mmミニプラグのものはほぼエレクトレットコンデンサマイクなので注意しましょう。
エレクトレットコンデンサマイクの電源の種類
マイク端子からのプラグインパワー
カメラやパソコンの電源を使って動くタイプ。プラグインパワー対応端子ありのカメラやパソコンで使用可能。家庭・一般用に多い。
USB端子からのプラグインパワー
USBにつなぐだけで電源が供給されます。ビデオ会議用スタンドマイク、ヘッドセットマイクなど。
動画用マイクの種類(2)
次に動画用マイクをさらに細かく分類しておきます。まず大きく分けて以下の3通りです。
(1)内蔵マイク
(2)外部マイク
(3)外部レコーダー
(1)内蔵マイク
基本的にはどのビデオカメラにも内蔵の簡易的なマイクはついています。しかしあくまで簡易的なので音質は悪く、周囲の環境音も拾ってしまいます。またカメラから離れるとキレイに音を撮ることができません。
もし内蔵マイクで録音する場合は、(1)なるべくカメラマイクに近づく、(2)音が割れない程度の大きな声でハッキリと話す、ようにしましょう。
(2)外部マイク
カメラやパソコンに外から接続するタイプのマイクです。以下のような種類があります。
- ヘッドセットマイク
- ウェブカメラ付属マイク
- 会議用マイク
- ハンドマイク
- アームスタンドマイク
- ガンマイク
- ピンマイク有線
- 無線マイク
内蔵マイクで満足できない場合は外部マイクを使うことを検討しましょう。
ヘッドセットマイク
ヘッドフォンと一体化したマイクです。USB接続や、3.5mmミニプラグのものがあります。
安価で音質がそこそこなものが多く、使いやすいマイクです。動画用としては、パソコンにつないでゲーム実況などで使います。
ウェブカメラ付属マイク
USBウェブカメラ自体に内蔵された簡易的なマイクです。
値段はカメラによります。音質はあまりよくないと思っていいです。これを使ってパソコンゲームの実況なども可能ですが、あくまで補助的なものだと思ってください。
会議用マイク
周囲の音を拾う複数の人が同じ部屋にいる時に便利なマイクです。
これを使えば、複数の人の声を撮れるので、室内や車内などの会話やゲームの様子など撮ることができます。1人で使うには向いていません。
ハンドマイク
手で握っても良いマイクです。歌やインタビューなどで使います。
アームスタンドマイク
机に取り付けることができる可動式のアームスタンドマイクです。先にはマイクホルダーの種類によりますが色々なマイクを取り付けることができます。
ガンマイク
離れた特定の位置の音だけ録音するマイクです。周囲の環境音は入らず、狙った音だけを録音する時に便利です。
値段は安価なものから高価なものまであります。電池式のものと、プラグインパワーといってカメラ本体からケーブルを通して給電するタイプ、XLR接続でファンタム電源から供給されるタイプがあります。
ピンマイク
服に取り付けて声を録音するマイクです。
値段は安価なものから高価なものまであります。有線ピンマイクの場合はカメラからあまり離れることができないので不便です。ただしその分安価なので、録音機を別で使うなど、うまく使えばかなり便利なマイクです。
無線マイクセット
ワイヤレス受信機と送信機のセットです。普通はピンマイクやハンドマイクをつけて使います。
値段は最低3~6万円くらいで高価。カメラから離れて動き周る場合に活躍します。内蔵バッテリータイプや、単三電池で動くものがあります。
接続はXLRピンか、3.5mmミニプラグで接続できます。
(3)別撮り
専用の別の録音機材で録音する方法もあります。編集する時に画とあわせる必要がありますが、音質にこだわる方にはおすすめの方法です。
ボイスレコーダー
高音質な録音が可能な録音機です。ボイスレコーダーと有線ピンマイクを使えば、高価な無線マイクがなくても高品質な音を録音することができます。またカメラ本体での録音より高品質な音を録音することもできます。エレクトレットコンデンサマイク対応の場合もあり。
タスカム リニアPCMレコーダーTASCAM DR-05-VER3
その他の音声機材
USBオーディオインターフェイス
ファンタム電源が必要なマイクは、XLR端子マイクをパソコンにUSBで接続できる機械です。コンデンサマイク、ダイナミックマイクとパソコンを接続する時に使います。
Steinberg USB2.0 オーディオインターフェース UR12
ミキサー
複数のXLRマイクをつないだり、音量調整、ファンタム電源供給などができる機械です。
ベリンガー アナログミキサー 10チャンネル XENYX 1002B
動画用マイクの選び方 3つ+αのポイント
動画用マイクの選び方ですが、以下の3点が重要です。
(1)マイクの音質
(2)マイクの録音環境
(3)マイクの接続方法
(α)値段
(1)マイクの音質
動画は画と音の組み合わせでできています。よく画質の方が重要だ!と思っている方がいますが、動画で重要なのは音です。
多少、画質が悪くても音が良ければ動画は成立します。しかしいくら画質が良くても音が何を言っているか聞こえないと動画として成立しないのです。
もちろん、歌をキレイに撮りたい、自然の環境音をキレイに撮りたい、などの場合は高音質マイクを使うべきです。しかし、色々な音が混ざったゲーム実況や、ちょっとしたおしゃべりだけであれば絶対に高音質でなければいけないわけではありません。必要最低限の音質が保てれば良い場合もあるのです。
まずよく分からない場合は、とりあえず内蔵マイクや格安マイクで音を撮ってみましょう。それでもし「この動画ではもっと音をキレイに撮らないとダメだな」と思ったら、さらに高音質なマイクを検討してみてください。
(2)マイクの録音環境
静かな室内での録音と、騒がしい街中での録音では、使うマイクが変わってきます。いくら高品質なマイクでも使う場所を間違えれば、うまく音が撮れない場合があります。
例えば静かな室内では高感度マイク。騒がしい街中ではピンマイクやインタビューマイクなどです。
この時重要なのがマイクの指向性です。
マイクの指向性について
マイクの指向性とは『どの角度・範囲の音まで拾うか』をあらわす言葉です。
全指向性(無指向性)マイク
周囲の音すべてを録音できるマイクです。複数の人の声を録音する場合など。会議用のステレオマイク、カメラの内蔵マイクなど。
単一指向性マイク
ひとつの方向の音を録音できるマイクです。ライブでの歌など。ボーカルマイク、ガンマイクなど。
双指向性(ツインディレクション)
前後の音を録音できるマイク(リボンマイク)です。ラジオや対談など。
(3)マイクの接続方法
マイクの接続方法はものすごく大事です。自分の持っているビデオカメラやパソコンに対応していないものを買うと、まったく使えない場合があります。必ずマイクを買う前に、マイクの接続方式を知っておきましょう。
ビデオカメラとマイクを接続する方法
家庭用ビデオカメラ/一眼レフカメラの場合
家庭用のビデオカメラや一眼レフカメラの場合、プラグインパワー対応マイクの3.5mmミニプラグをマイク端子に接続します。
電源不要のダイナミックマイクの中には3.5ミリプラグ端子のマイクがあります。「3.5ミリプラグなのでビデオカメラに挿せるかな?」と思う人もいるかもしれません。
しかしマイクの種類によってはプラグインパワーの電力が供給されマイクが壊れてしまう場合もあります。どうしてもダイナミックマイクを使いたい場合は、プラグインパワー電力をカットする保護機能付きのマイク購入しましょう。
業務用ビデオカメラの場合
XLR端子がある業務用ビデオカメラの場合、電源不要のダイナミックマイクは48V電源はオフのままXLR端子にマイクを刺してください。
電源が必要なコンデンサマイクの場合はXLR端子にマイクを刺してから48V電源をオンにしてください。
パソコンとマイクを接続する方法
USB対応マイクの場合
パソコンとマイクをUSBで接続するだけです。
3.5mmミニプラグの場合
パソコンのマイク入力(ピンク色であることが多い)に差し込みましょう。
パソコンによってはマイク入力がない場合があります。その場合は外付けのUSBオーディオインターフェイスを接続するか、USBマイクを使いましょう。
ダイナミックマイクXLR端子の場合
XLR対応のUSBのオーディオインターフェイスを使いましょう。この時、+48Vの電源を付けると、電源不要のダイナミックマイクは壊れるので注意してください。
Steinberg USB2.0 オーディオインターフェース UR12
コンデンサマイクXLR端子の場合
コンデンサマイクの場合、ファンタム電源が必要です。USBオーディオインターフェースにXLRで接続し、+48Vの電源をつけてください。
Steinberg USB2.0 オーディオインターフェース UR12
iPhoneと外部マイクを接続する方法
iPhoneにマイクを接続する時は以下の5通りの方法があります。
(1)ライトニング端子対応マイクを使う
(2)変換アダプタを使って4極の外部マイクを使う
(3)変換アダプタを使って3極の外部マイクを使う
(4)ライトニングUSB変換を使って外部USBマイクを使う
(5)USBのファンタム電源とマイクを使う
詳しい内容はiPhoneに外部マイクをつなぐ方法をご覧ください。
アンドロイドスマートフォンと外部マイクを接続する方法
アンドロイドスマートフォンにマイクを接続する時は以下の2通りの方法があります。
(1)4極の外部マイクを使う
(2)変換アダプタを使って3極の外部マイクを使う
詳しい内容はアンドロイドスマートフォンに外部マイクをつなぐ方法をご覧ください。
(α)マイクの値段
最後にマイクの値段も重要です。無理をしていきなり高価なマイクを買っても、結局使わない、なんてこともあります。不安な方は、まずはお試しで、数千円程度の格安マイクを検討するのもありです。安いものでも、目的や環境と合えば内蔵マイクよりずっとキレイに音が撮れます。
しかし「いや!これからたくさん動画を作るぞ!」という方、もし予算があれば、初めから高品質で高価なマイクを買ってももちろんOKです。ただしあまりに高価なマイクは、編集環境や圧縮、視聴者の視聴環境によって、実際の音質を再現できない場合もあります。オーディオは深みにはまると抜け出れなくなるので、よく考えて検討してみましょう。
その他マイク関連用語
ポータブルミキサー
外出時に使えるミキサー。48Vファンタム電源も使える。電池式であることが多く、けっこう重い。
ショックマウント
マイクの微妙な揺れを減らしてマイクノイズを軽減できる。ハンドマイク以外のガンマイクなどを手持ちする時に必須。
ウインドシールド風防
外の風のビュービュー音を軽減できる。
ポップガード
口からでる風を防いで、ポップノイズを軽減できるガード。