2016年に発売されたSONYのアクションカメラ『SONY FDR-X3000』を実際に購入し、使ったみた感想を紹介します。今回は1泊2日の旅行と、自転車に付けて撮影テストを行いました。
この記事を書いた人:内村 航
株式会社ドウガテック代表取締役。2012年より『カンタン動画入門』を運営。動画編集ソフト・アプリのレビュー本数58本。動画編集スクール取材9校。アクションカメラ17台、α7 III、EOS8000D所有。大学講師(日本文理大学情報メディア学科、立命館アジア太平洋大学動画制作ワークショップ等)。著書:暮らしvlogのはじめ方(朝日新聞出版)、iMovieのマニュアル本(工学社 I・O BOOKS)。
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■アクションカメラ おすすめランキング・まとめアクションカメラ・ウェアラブルカメラとは?
アクションカメラとは、手持ち撮影はもちろん、衣服や乗り物などに装着・固定して動画を撮影できるビデオカメラをいいます。
スポーツや、バイク、車好きの方におすすめのカメラで、色々格好良い動画を撮影することができます。
【サンプル動画】SONY FDR-X3000で富士山と樹海を4K撮影テストしてみた
SONYのアクションカメラ一覧表
SONYの発売しているアクションカメラは2018年現在で3機種あります。
値段を気にするなら一番安価な、HDR-AS50。
手振れしやすい環境での撮影なら空間光学方式手振れ補正のHDR-AS300。
空間光学方式手振れ補正かつ、4K撮影したい人はFDR-X3000がそれぞれおすすめです。
SONY FDR-X3000の外観
SONY FDR-X3000には簡易的な液晶モニターしか付いていません。代わりにアプリを使ってスマホで撮影しているものを確認します。
Play Memories Mobileアプリ。
SONY FDR-X3000を使ってみた感想
以下、複数のアクションカメラを実際に買って使っている私のSONY FDR-X3000の感想です。今回、SONY FDR-X3000のレビューのために1泊2日の旅行動画と、自転車に付けて撮る2回分の撮影を行いました。
総合評価
総合評価としては、現在発売されているアクションカメラの中では先発のGoPro6と肩を並べるくらい良い機種です。画質、手振れ補正機能、使いやすさ、すべて優れています。値段もGoPro6もSONY FDR-X3000もどちらも5万円前後ですが、SONY FDR-X3000の方が手振れ補正機能は強力です。SONYお得意の空間光学方式手振れ補正はさすがとしかいいようがありません。
GoPro6は(1)映像確認ができる液晶モニター付き、(2)ケースなしでの防水機能という点では、SONY FDR-X3000より優れています。ただし、SONY FDR-X3000はアプリを使えばリアルタイムで映像を確認できますし、防水ケースも付属しています。少し手間はかかりますが、大きなデメリットではありません。
SONY FDR-X3000は、(1)ぶれが多い環境で撮影する、(2)アプリでの映像確認がOKな方に特におすすめです。
【参考】GoPro HERO6スペック比較・使い方・設定方法 おすすめのアクション・ウェアラブルカメラ
動画サンプル(1) 旅行動画
以下、手持ちでアプリ連携なしで撮影した動画です。
【サンプル動画】SONY FDR-X3000で富士山と樹海を4K撮影テストしてみた
バッテリーの持ち
1泊2日で旅行中、要所要所で撮影しては電源を切るという方法で撮影しました。旅行中の撮影で一番気になるバッテリーの持ちですが、1カット10秒の動画を複数回1日撮影した所、1日持ちました。公式だとWi-Fiオフだと約60分なので、Wi-Fiオン、スマホアプリ連携、長時間の撮影は予備バッテリーか、モバイルバッテリーが必須です。私の場合はレンタカーで移動していたので、シガーソケットUSB変換機を使えたので心配はありませんでした。
■連続撮影時間
本体Wi-Fi設定 | ライブビューリモコン/スマートフォン接続状態 | XAVC S 4K 2160 30p/25p 60M |
MP4 1080 30p/25p HQ |
ON | 接続 | 約25分 | 約115分 |
非接続 | 約50分 | 約125分 | |
OFF | 約60分 | 約135分 |
撮影画面を見ないでも大丈夫か
この動画は撮影画面が確認できるアプリをつかわず、カメラ単体で撮影しました。画面が見えないとちゃんと撮れるかな、と心配でしたが、家に帰って確認した所、90%くらいイメージ通りの撮影ができました。ただし、水平が分からないので、若干左右に傾いてしまう場合もありました。手持ちの場合は意識して、まっすぐ持つようにしましょう。
記録媒体MicroSDカードの注意点
最後に1点だけ困ったことがあります。それはSONY FDR-X3000で4K(100Mbps)の最高画質で撮影する場合は、今まで使っていた安価なSDカードが利用不可だったことです(4K60MbpsはU1でもOK)。4K撮影時は、『マイクロSDHC/SDXCメモリーカード(UHS-I U3以上)』でないと警告表示が出て撮影ができません。説明書を確認すると、※に小さな文字で注意書きがあり、旅先で初めて気が付きました。機種によっては速度の遅いSDカードでも4K撮影ができていたので、指定のSDカードは持っていなかったのです。急ぎヨドバシカメラで購入しましたが、マイクロSDHC/SDXCメモリーカード(UHS-I U3以上推奨)は高いです。店員さんに薦められたSONY製の一番安い16GBのmicroSDカードは4,730円でした。速度の遅い安価なものだと16GBは990円なので、約5倍もします。Amazonで探せばもっと安いものがあるので、事前購入は必須です。
しかし、ここでケチったのがよくありませんでした。富士樹海の洞窟に入る直前にSDカードがいっぱいになってしまったのです。以下の表を見ると、4K(100Mbps)撮影だと16GBはなんと約18分しか撮影できません。
■4K(100Mbps)撮影時のMicroSDカード(UHS-1 CLASS3)の容量と記録可能時間
SONY FDR-X3000で4K(100Mbps)撮影する時は必ず、事前に必要分のMicroSDカードを購入し、動作確認をしておきましょう。稀にカメラに合わないものもあるようなので注意が必要です。
本体のロゴが消えやすい
それとSONY FDR-X3000本体のSONYのロゴが1日ではがれてしまいました。ソフトなリュックに入れていたのに、その日の夜にはいつのまにか削れていました。メニューなどのプリントが消えてしまうと分かりにくいので、キレイに使いたい方は専用の袋などに入れることをおすすめします。
動画サンプル(2) 自転車固定動画
次に、カメラを自転車に固定し、アプリ連携撮影した動画です。
【サンプル動画】SONY FDR-X3000を自転車に付けて4K撮影してみた
自転車への固定は、アクションカメラマウントのクリップ式のものを使ってみました。
SONY FDR-X3000の底にはネジ穴があります。
そこにクリップのネジで固定します。方向などは方向調整ネジをゆるめて行います。
自転車のハンドルにつけるとこんな感じです。
横向きに付けると、風景の流れが撮影できます。
ハンドル下に付けると、地面が近くなり迫力が増します。またハンドルより安定感があるのでおすすめです。
自転車で撮影テストを行った結果、SONY FDR-X3000の手振れ補正機能の強力さにさらに驚きました。自転車に乗っている時、かなりガタガタした道を通ってみたのですが動画ではほぼ気にならない振動になっていました。あまり高い位置からの撮影はできませんが、ドローンで空を飛んでいるような動画を撮ることができます。自転車やバイクにつけての撮影はカメラが落ちないようにしっかり固定しましょう。また、4Kでの撮影だと長時間撮れないので、フルHD1920×1080の方が良いと思います。
画質
4K撮影は明るく高画質です。安価な無理やり4Kにした機種とは雲泥の差です。
手振れ補正
空間光学方式手振れ補正は、レンズ自体が動き手振れを抑えるSONYの機能です。その性能は強力です。スポーツに使う方、手振れが多い環境で撮影する方に特におすすめです。
使いやすさ
重量が軽く、ボタンも少ないのですぐに慣れると思います。ただし、他のアクションカメラのように液晶画面で映像の確認ができません。富士ツアーの動画はアプリ連携せず、勘で撮影しました。結果、だいたいイメージ通りに撮れていました。これは私が撮影になれているというのもあると思います。事前に練習は必要です。
アプリで連携すると、スマホでカメラの映像を確認・操作することができます。自転車での撮影はアプリ連携で撮影しました。