動画編集パソコン

Mac mini(M1 2020)を動画編集ソフト5種アプリ2種でレビューしてみた

掲載・更新日

Mac mini(M1 2020)を動画編集ソフト4種+アプリ2種でレビューしてみた

アップルのパソコンMac mini(M1 2020)に5種のMac用動画編集ソフトとiPhone用動画編集アプリ2本を入れてストレスなく動かせるのか、フルHD/4Kでの書き出し時間の計測など検証しています。

※動画編集ソフトPowerDirector365Macも検証ソフトに追加しました。


またMacBookPro(2020)との書き出し速度の比較もしています。


■使用ソフト
iMovie
PowerDirector365Mac
FinalCutPro
Adobe Premiere Pro CC
DaVinci Resolve
VN
PowerDirector

動画編集用パソコンレビュー記事

動画編集用パソコンおすすめのスペックと選び方
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Mac mini(M1 2020)レビュー
内村航

この記事を書いた人:内村 航

株式会社ドウガテック代表取締役。2012年より『カンタン動画入門』を運営。動画編集ソフト・アプリのレビュー本数58本。動画編集スクール取材9校。アクションカメラ17台、α7 III、EOS8000D所有。大学講師(日本文理大学情報メディア学科、立命館アジア太平洋大学動画制作ワークショップ等)。著書:暮らしvlogのはじめ方(朝日新聞出版)iMovieのマニュアル本(工学社 I・O BOOKS)

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Apple Mac mini(M1 2020)とは?

知らない人も多いですが、Mac mini(マックミニ)は小型のMacです。HDMIなどでディスプレイにつないでデスクトップパソコンとして使うことができます。

Mac mini(M1 2020)


今までのMac miniは安価ですがスペックが低く、動画編集には適していませんでした。しかし2020年にAppleが開発・発売したM1チップ搭載Macシリーズの登場で変わりました。


M1チップとはAppleが独自に開発した、高性能+大幅なコストダウンを実現したすごいチップのことです。後ほどレビューで書いていますが、2020年に20万円超で購入したMacBookProと動画編集機能は同等でした。Mac miniすごい。M1チップすごい。




動画編集用パソコンとしてApple Mac mini(M1 2020)は買いか?

詳しいレビューはこの後の記事を読んだもらえば分かりますが、Mac miniは素晴らしいパソコンです。10万円以下で購入できる動画編集用パソコンとしては最強と言ってもいいでしょう。


Windowsパソコンだと10万円以下では4K動画編集を快適にできる機種はありません。しかし、Mac mini(M1)は快適に4K編集ができます。Windowsパソコンで同程度のものだとさらに5万円以上かかります。


ただし、編集作業は快適ですが、書き出し速度は値段相応です。遅すぎて使い物にならない、ということはありません。複数のソフトで検証しているので、書き出し速度を参考にしてください。


※追記:2020年12月に発売されたPowerDirector365Macをレビューに追加しましたが、このソフトを使う場合は、フルHDの書き出し速度が爆速です。4Kはそこそこの速さです。PowerDirectorを使って動画編集をするのであれば、Mac miniは買いです。最強にコスパがいいです。フルHD編集では30万円クラスのパソコンと同等の書き出し速度になります。


Apple Mac mini(M1 2020)で動画編集アプリは使えるか?

M1チップ搭載のMacはiPhone用のアプリが使えます。

動画編集アプリVN Mac mini(M1 2020)で動作確認


実際、高性能な動画編集アプリ2種で検証しました。詳しくはレビューに書いていますが、結論をいうと、「使えない」です。


動作はでき、編集もできます。しかし書き出し時間が異様に長い、書き出した動画が真っ黒、各種機能のボタンが見えない、エラーで強制終了する、などの不具合が多発しました。


今後、M1チップに各アプリも最適化されれば、アプリで動画編集することもできるようになると思います。ただし、あえてMacでiPhone用の動画編集アプリを使うメリットはあまりありません。購入する基準からははずしてもよいでしょう。




動画編集用パソコン 特徴
Mac mini(M1 2020)

72,800円(税別)~
購入する 詳細記事
検証に使ったのはM1チップ搭載のMac mini 256GMモデル、メモリ16GB。8コアCPU、8コアGPU、16コアNeural Engineを搭載。

MacBookPro2020(16GB)と比較すると、動画編集のパワーはほぼ同等。10万円以下の値段で、4K編集が快適にできるのは貴重。書き出し速度は普通~少し遅い程度。動作が驚くくらい静か。ほぼ無音。

フルHDは、編集、プレビューともにiMovie、PowerDirector365Mac、FicalCutPro、AdobePremierePro、DavinciResolve5種すべてで快適。書き出し速度はPowerDirector365Macが爆速。

4Kは、5種すべてで編集は快適。プレビューはDavinciResolveのみ若干遅延。プロキシモードハーフで快適に。PowerDirector365Macの書き出しはかなり速い。10万円以下で4K編集をするのであればMacMiniが最もおすすめ。Windowsだと10万円以下ではおすすめできるものがない。

iPhone用動画編集アプリはVN、PowerDirector共に動く。VNは快適にフルHD編集ができるが書き出し速度が遅すぎ、書き出した動画も真っ黒のエラーで使い物にならない。PowerDirectorはプレビュー画面の縦横比がおかしくなり、色々な機能も使えないが、書き出しのみ可能。
OS CPU グラフィックス メモリ M2 SSD/HDD 重さ
MacOS M1 8コアCPU M1 8コアGPU 16GB 256GB/ 1.2kg



動画編集用パソコン検証結果まとめ

ソフト5種、アプリ2種比較 検証結果表

以下Mac用動画編集ソフト5種と、iPhone用動画編集アプリ2種の検証結果比較表です。※5分間の動画に音楽、テキスト、透過ロゴ、グリーンバッククロマキー、トランジションなど。


M1チップ搭載のMacはiPhone向けアプリも使えるようになりました。今回は、VNとPowerDirectorで動作確認と、書き出しテストをしました。

iMovie 編集作業 プレビュー 書き出し時間
フルHD 30p 快適 快適 2分12秒
4K 59.94p 快適 快適 15分16秒
PowerDirector365Mac 編集作業 プレビュー 書き出し時間
フルHD 30p 快適 快適 53秒
4K 59.94p 快適 快適 6分16秒
FinalCutPro 編集作業 プレビュー 書き出し時間
フルHD 30p 快適 快適 2分42秒
4K 59.94p 快適 快適 15分11秒
Adobe Premiere Pro CC 編集作業 プレビュー 書き出し時間
フルHD 30p 快適 快適 6分38秒
4K 59.94p 快適 快適 11分52秒
Davinci Resolve 編集作業 プレビュー 書き出し時間
フルHD 30p 快適 快適 4分16秒
4K 59.94p 快適 遅延あり。プロキシハーフで快適。 21分51秒
VN 編集作業 プレビュー 書き出し時間
フルHD 30p 動作可能。基本的な動画編集機能は問題なし。書き出し速度が異常に遅く、書き出した動画が真っ黒になった。 快適 1時間39分51秒
PowerDirector 編集作業 プレビュー 書き出し時間
フルHD 30p 動作可能。プレビューの縦横比がおかしく表示される。再起動すると直るが、テキストのくずれや、いくつかの機能のボタンが表示されず使えない。書き出しは問題なくできる。 快適 55秒 ※不完全な編集のため参考までに



フルHD編集 検証結果

フルHDでは、5種のソフトすべてで快適に使えました。書き出し時間は普通~遅い、PowerDirector365Macのみ爆速。MacBookPro2020と比べてコストパフォーマンスはかなり良いです。Windowsの同スペックパソコンだと値段はだいたい12~15万円くらい。


4K編集 検証結果

4K(59.94fps)では、Davinci以外のソフトでは快適に使えました。Davinciではプレビューに若干の遅延が発生。プロキシをハーフにすれば解決しました。PowerDirector365MacはフルHD時ほどではないですがかなり速いです。


4Kの動画編集に関しては、この値段のパソコンで快適に動くのは素晴らしいです。書き出し速度は遅いですが、値段を考えると許容範囲内。10万円以下のWindowsパソコンだとそもそも4K編集ができないので、予算が少ない場合、4K動画編集はMac mini一択。


iMovie 検証結果

iMovieはフルHD、4Kともに、編集、プレビューは快適でした。書き出し速度はフルHDは普通、4Kは遅いです。


PowerDirector365Mac 検証結果

PowerDirector365MacはフルHD、4Kともに、編集、プレビューは快適でした。書き出し速度はフルHDが爆速で、検証パソコンの中で一番速かったです。4KはフルHDほどではないですが、この値段のパソコンだとかなり速いです。


FinalCutPro 検証結果

FinalCutProはフルHD、4Kともに、編集、プレビューは快適でした。書き出し速度フルHDは普通、4Kは遅め。


Adobe Premiere Pro CC 検証結果

Adobe Premiere Pro CCはフルHD、4Kともに、編集、プレビューは快適でした。書き出し時間はフルHD、4K共に遅いです。


Davinci Resolve 検証結果

Davinci Resolveは、フルHDは編集、プレビューは快適。4K編集は編集は快適、プレビューは遅延あり、プロキシハーフで快適になりました。書き出し時間はフルHDは遅く、4Kは遅いです。


VN 検証結果

VNはフルHD動画での、カット編集、BGM音楽の挿入、テキストテロップ、トランジション、グリーンバッククロマキー、書き出しなどのを正常に行うことができました。
動画編集アプリVN Mac mini(M1 2020)で動作確認


ただし、5分の動画を書き出すのに、1時間以上かかります。また書き出した動画が真っ黒のエラー動画ができるので、実用的ではありません。フルHDでこれなので、4K動画編集に使うのは不可能です。

動画編集アプリVN Mac mini(M1 2020)で動作確認

PowerDirector 検証結果

アプリ版のPowerDirectorは基本的な動作はできました。ただしプレビュー画面の縦横比はおかしく表示されます。

動画編集アプリPowerDirector Mac mini(M1 2020)で動作確認


再起動すると直りますが、テキストのくずれ表示や、各種機能が固定された画面サイズが問題なのか使えません。トランジションボタンを押すとエラーで強制終了になりました。

動画編集アプリPowerDirector Mac mini(M1 2020)で動作確認

書き出しはでき、なぜか妙に速いです。




MacBookPro(2020)とMac mini(M1 2020)の書き出し速度比較

20万円以上する2020年に出たばかりのMacBookPro(2020)と、10万円以下のMac mini(M1 2020)を動画編集を基準に比較しました。


フルHDの5分間動画編集を基準にしています。編集作業に関しては、どちらもフルHD、4K動画編集が快適にできます。

機種 MacBookPro13インチ2020 Mac mini(M1 2020)

値段 208,800円~(税別) 72,800円(税別)~
iMovie 4分48秒 2分12秒
FinalCutPro 3分04秒 2分42秒
AdobePremierePro 4分35秒 6分38秒
DavinciResolve 5分31秒 4分16秒

ノートとデスクトップの比較なので用途にもよりますが、据え置きで問題ないならM1のMac miniがおすすめです。




Mac mini(M1 2020)の見た目

Mac mini(M1 2020)
Mac mini(M1 2020)
Mac mini(M1 2020)



検証に使う動画編集ソフト

この記事では以下の3種類の動画編集ソフトを使って検証しました。

(1)iMove

家庭用 動画編集ソフト 特徴
Macユーザーで動画作りを始めたい人には、まずApple公式動画編集ソフトiMovie for Macがおすすめ。無料なのに基本的な動画編集機能がすべてそろっている。初心者の入門用としては最適。ただしテキストの編集機能が弱い。※Macとの相性によってエラーが起きる場合があり。
4K 360度 アクションカメラ 縦動画 画面録画 自動編集 DVD Blu-ray

(2)PowerDirector365Mac


(3)FinalCutPro

家庭用 動画編集ソフト 特徴
MacユーザーかつハイアマチュアやYouTuberにおすすめのハイエンド動画編集ソフト。iMovieでは自由度が低く、AdobePremiereProCCは高機能過ぎるが、FinalCutProは、その中間。そこそこ高機能で、初心者・入門者に優しいソフト。YouTuberのHIKAKIN氏も利用。
4K 360度 アクションカメラ 縦動画 画面録画 自動編集 DVD Blu-ray

(4)Adobe Premiere Pro CC

上級者向け 動画編集ソフト 特徴
高機能動画編集ソフト。映像制作者の約9割がこのソフトを使っているくらいメジャー(Adobe調べ)。また、After EffectsやPhotoshopなどと連携しやすく、料金も月額で安く使うことができる。

プロ向けソフトのイメージが強いが、動画編集ソフトやアプリを使った経験があれば家庭用、YouTuber用としてもおすすめ。
高機能
YouTuber
業務用

Microsoft Windows 7 Service Pack 1(64 ビット)日本語版、Windows 8.1(64 ビット)日本語版または Windows 10(64 ビット)日本語版、macOS X v10.11、v10.12 または v10.13 日本語版、日本語
4K 360度 アクションカメラ 縦動画 画面録画 自動編集 DVD Blu-ray

(5)DaVinci Resolve

プロ向け 動画編集ソフト 特徴
プロ用動画編集ソフトの無料版。AdobePremiereProCC並みの高機能ソフト。家庭用としては高機能すぎるのでおすすめしない。

Windows、Mac、Linux日本語対応
4K 360度 アクションカメラ 縦動画 画面録画 自動編集 DVD Blu-ray



検証に使う動画編集アプリ

(1)VN

動画編集アプリ 特徴
iPhone/アンドロイド向けの最強の無料動画編集アプリ。

カット、トリミング編集、BGM音楽、テキストテロップ、トランジション、複数トラックなど基本的な機能がある。ほぼパソコン用の動画編集ソフトと同等の機能。

広告表示がたまにあるが、ほとんど気にならない。無料にしては高機能すぎるので、今後有料化、広告が増える可能性あり。
カット編集 BGM音楽 テキスト 縦動画 フィルタ 自動編集 複数トラック PinP 4K

※『PinP』とは動画上に別動画を載せる『ピクチャインピクチャ』の略です。




(2)PowerDirtector

iPhone動画編集アプリ 特徴
PowerDirector
動画編集アプリPowerDirector

無料版有
月540円~
iPhone
Android
使い方記事
iPhone/アンドロイド用の動画編集アプリ。かなり自由に編集することができる。カット編集、テキストテロップ、BGMの挿入、フィルター、トランジション、複数トラック対応、書き出しなど、ほぼパソコンの動画編集アプリと同じ性能。

無料版は出力後にロゴが入ったり、複数トラックに上限がある。
カット編集 BGM音楽 テキスト 縦動画 フィルタ 自動編集 複数トラック PinP 4K



検証に使うプロジェクト内容

以下の内容で検証を行いました。


・フルHD/4K別で2本分編集
・5分(30カット×10秒)
・音楽
・テキスト×7
・透過PNGロゴ常時
・透過クロマキー常時
・トランジション3カットに1回

検証点は、編集作業、プレビューの快適さ、書き出しにかかる時間、CPU使用率などです。

検証プロジェクト内容


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【ノートパソコン】
■Dell
G3 15レビュー
G5 15レビュー
■ASUS
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■マウスコンピューター
DAIV 3Nレビュー
DAIV 5Nレビュー
DAIV 5Dレビュー
DAIV 5Pレビュー
■HP
ENVY x360 15-ds0000レビュー
■VAIO
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■Apple
MacBookPro13インチ(Corei7 10gen 2020)レビュー

【デスクトップパソコン】
■HP
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■マウスコンピューター
DAIV A7レビュー
DAIV X9レビュー
■Apple
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